STATEMENT
人間の士は都市で日常を過ごす人々にとって意識することはないが
都市は死と関係性を持ち続けている。例えば寺院・お墓は過去の地形をなぞるように位置しており、
彼らの死の労わり方を通じて過去の都市の姿を想像することができる。
死にまつわる空間は、あらゆるものがスピード感をもって消費され更新される都市において
自分たちが生きること自体を顧みるような、時間の厚みを与えてくれる重要な要素である。
しかし、死にまつわる空間は穢れたものとして都市において隠されたり隔絶されている。
死にまつわる空間を考えることは死後の世界と今を生きる私たちの関係性を再考することであり
過去と未来を接続することに他ならない。
その前提に立ったとき、現在、その存在は都市郊外に拡散され、高い壁や柵によって日常から切断された空間である
人間の死を扱う唯一の公共建築「火葬場」はどのような空間を創造すべきだろうか。
この制作では、港区虎ノ門に公共空間と火葬場を同居させたランドスケープによって、
死と都市を再び接続する都市空間の在り方を提案する。
(2021 鶴井)